ドリー夢小説

こんな奴に
手も足も口も出せず

思い通りのままにこき使われているのが
無性に腹が立ちます


けれど下手に口を出したら
何をされるか分からないので
言われるがままになっています

ドンマイ自分!









煙草の口先








書類に筆を走らす音が響く
ただそれだけ

しかも、重苦しい雰囲気だけが
俺を縛り付けます



「手が止まっているぞ、



鋭いように突き刺す声
その主は平然と目の前に座ってタバコを煙を漂わせていた



『…アンタは何もやらないで一人ヤニ喰いかよ…』



ポツリと
本人に聞こえないような勢いの大きさで呟いたつもりが



「お前が丹羽を逃がさなければこんな事にはなっていない」



ばっちり聞こえていたみたいですよ
地獄耳め…

というか何故俺はこの部屋で中嶋を目の前にし黙々と
生徒会処理を行わなければならないのかが
分からないのデス…



この様な状況に陥ったのはつい1時間前

教科の顧問から生徒会室へ用事がある書類を渡され
ドアを開けた瞬間
目の前に大きな影

その直後



「悪ぃ!!」



只その言葉を残して
はるか彼方へと走り去ってしまった

残ったのは
仁王立ちしていた中嶋だけだった




「お前があの時丹羽を逃がさなかったら…」


『だぁっから。逃がすつもりじゃなかったんだって』


「煩い。取敢えず原因はお前だ」


『うっ…!!』



駄目だ
こいつに口で勝てるわけないし
あぁぁ…!!
こんなことんなったのも丹羽が逃げ出すから




丹 羽 お 覚 え て ろ よ … !




無性に筆を進めるスピードを上げる
もうちゃっちゃと終わらせて中島から開放されたい


只でさえこの人は苦手だ
なんていうかよく言い表せないけれど…
目が怖い…

初めて出逢った時もまるで睨まれているのかと思うほどに
はっきり言うとあまり関りたくない存在
しかし、最近ではよく生徒会室にも出入りしているし
中嶋の顔を見る回数が多いのは確実だった

今はそんな事を考えても仕方がない
今はこの目の舞にある大量な書類を終わらせるだけ






*   *   *   *   *



筆を進めること数時間
外は日がくれ紫色の夕焼けに染まっていた



『つ・疲れた…』


もう腕が棒の様になりそうな疲れが襲う
取敢えず、中嶋から渡された分だけの書類は全て終わらせた

我ながらね
結構頑張りましたよ
だけどさ…



「やれやれ、随分と時間が掛かった物だ」



こ い つ め …

手伝ってやった(俺一人だけど)っつーのに
終わった途端これかよ…


煮えたぎるような怒りを面に出すことは出来ず(出したら何をされるか分からないし)
手厚く拳を握り締めるだけ
しかしこの息苦しい空間から開放される


既に俺の中では明日、丹羽にあったらどうしてやろう。という計画が回っていた


隣の椅子から自分のバックを取り、椅子から立ち上がる
長時間座っていた所為か腰が少し痛む



『じゃ、俺は帰るから』



そう踵を返し、ドアを手に取ろうと思っていた矢先
背後から掴まれた
正確に言うと羽交い絞めにされた?

勿論、この部屋には俺と中嶋しか居ないわけだから…



『…未だ何かゴヨウデショウカ?…』



思わず口が引きつり言葉がおかしくなる



「素っ気無く帰ることも無いだろう?…



怖いです
笑顔です
中嶋さんが笑っていますよ

七条並みの笑顔デスヨ



『いや…その、俺には課題が出されてて…』


「せっかく手伝ってくれたんだ。こちらも礼くらいはしないとな」


『けっ…結構デス!』



拒んでいるうちにいつの間にか衣服の中に手が入り込んでくる
急に外部からの侵入を受けた体は反射的に肩を震わせた



『っ…!』


「何だ…これだけで感じたのか?」


『ふっ…ざっけるな!』


「その割には顔が紅いがな」



そう、口元を緩め彼らしい笑い方をした
エロい笑い方め!


そりゃ急にこんなことをされれば驚くに決まっている
しかも俺は一応『男』としてこの場に居る訳で女としてでは無いのだから

中嶋の考えていることが全く分からない
そんな事を考えている間も徐々に手が上へと上がる
最初は冷たかった手も体温に慣れ人肌と化していた



稀月ヤバイです
絶体絶命の場に追われています


ってかこのまま言ったらサラシに当たる!
女だってバレるっ!!




『ッ…!!』


「………」




ギリギリのところで手は止まり、
目の前に押しかかっていた体重が軽くなるのが感じた



『…?…』


中嶋は俺から離れ煙草に火をつけていた
暗くなった部屋に一つの明りが灯る




「まぁ…今日はこれくらいにしといてやるか?」



『!っこの性悪!!てか何で疑問系なんだよ!!』



煙草の煙が自分の位置まで届く
けれどその煙を振りほどこうとは思わなかった

何故
なのか、自分でも分からないけれど




『こんな奴が生徒会に居てもいいのか…それも副会長…』



ボソリと言ったつもりが



「聞こえてるぞ。



あぁ。そうでした
この方は地獄耳でしたよ…


それにしても寸止めのところで中嶋の手が止まったのは幸いだった
あと少し上へと触れられていたら
胸を誤魔化しているサラシに触れられて危ないところだった


不幸中の幸い、ってやつですか…




「頼むから今度は丹羽を逃がすようなことをしないで貰いたいものだ」


『お前の管理が足りないからだろ!』


「ほぅ…?そんな事を言うか」


「イエ、ナンデモナイデス」



再び、中嶋の口元が小さく緩むのが伺えた

その形の良い笑みが、少しだけ。
少しだけカッコいいと、思ってしまった



「まったく。可愛げのない奴だな」




撤回
今の言葉は撤回



『可愛げ無くて結構。男に言われたって嬉しくないな!』



そういい、一度落とした鞄を広い
ドアノブに手を掛けドアを大きく開く

その瞬間、再び肩へ手が乗った
又からかわれているのだと思い振り向き文句の一つでも言ってやろうと思った



『中嶋、いい加減に…』



煙草をすっていたはずの彼はいつの間にか俺の近くに来ていて
そう思っている間に

唇に何かが触れたのが分かった
柔かく、生暖かい

初めての経験



何が起こったのかわからず、只真っ先に考えたのは



走って逃げてしまえ


無意識のうちに突き飛ばし
生徒会室を後にした









「……」




ひとり生徒会室に残された中嶋は片手に煙草を持ったまま
笑んでいた


まるで
面白い物を見つけたかのように










全速力で走りぬけ寮前にたどり着く
走っている間頭が真っ白で何も考えることが出来なかった

あまりにも衝撃的なことだったから





『…………』




自分の唇に触れてみる
先程、中嶋と触れ合っていたその唇を





今だ頭の整理が付かず、只呆然と立ち竦んでいたけれど




覚えていたのは
唇が触れる目前に覗き込んだ彼の瞳と

口に広がった














煙草の味だけ













end


2004/09/23



長いですよ
げ・限界です中嶋さん…(ガタガタ)
夢を描いていてキスシーンは極力少ないので中々指が進まず
苦労しました(汗)

御感想いただけると光栄です☆





















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