ドリー夢小説



『…っ―…』





何、聞こえないよ
周りが煩くって



記憶の中で薄れていく
君の笑顔




何故もそんなに涙を溜めているの?
何故もそんなに悲しく






微笑んでいるの―…?









          欠

          け

          た

          記

          憶









はっと、目が覚めた



小窓からは眩しい朝日が立ち込めている
否、朝日だかどうかわ分からない
どれ位眠っていたのだろう


首や肩、体全体が軋む
けれどそれ以前に





大事な



何かを




欠けてしまった様で―…
何故だろうか、それがどうしても思い出せない



額は汗ばみ、気持ちが悪い
顔を洗う為に立ち上がっても少し横へよろける
体全体に力が入らないように







「…何でこんなに疲れてるんだろ…」







独り言の様に呟く
勿論誰からの返事も還ってくるはずも無く、一人洗面所を前にした





「うっわ…ひどい顔だなぁ…」






鏡で確認してみると、髪の毛もボサボサ
目の下にはうっすらクマが出来ている
綺麗で自慢の金髪も台無しだ






『―ハウルの髪って綺麗よね―』






誰かが昔そんな事を言った気がした
誰が言ったけ…
頭の中から記憶を引きずり出しても思い浮かばない




蛇口をひねると冷たい水
透明で、美しい
手で触れると一瞬でだるさも吹き飛ぶ







『―ねぇ、知って?水って不思議。何もかも移すのよ―』






まるで






「鏡みたいだね―…」







何故、こんな言葉が出てきたのだろうか
そうだ、この言葉は誰かの口から聞いたことがある

透き通るような声
でも顔が思い出せない、何故









「…調子悪いみたいだな…」








暫く顔を洗ったあと、再び自分の部屋に戻りベットへと体を預ける
ドサリ、と音を立て寝転ぶ


回りには魔除の呪いや飾りが転がっている







『―またそんなに寝転がって…たまには外に出たらどうなの?』






『―ハウル、見て凄い綺麗な花畑ね―』







耳の奥で木魂する
見知らぬ人の声


いや、僕はこの人の声を知っている

けど誰だ。

顔は。

ナマエは?







『―ハウルっ…!―』






「っ…!!」







急に瞳を開く
瞳が熱くて、胸で呼吸していた

目の前には、いつもどおりの自分の部屋の天井
気づかぬうちに再び眠ってたみたいだ




そして夢を見た







「…君は誰?…」








聞いたことのあるような
でも、思い出せない




何故だろう





まるで砕け散ったガラスの様に
一部一部が抜けている








「思い出せないよ…」







君のナマエが



君の姿が



君の存在が



君の笑顔が





君は僕の名前を呼んでいるのに
僕は君のナマエを思い出せない





気づくと自然に

僕の瞳からは涙が溢れていた











記憶の奥底には







微笑んでいる君が居る






end

2004/12/02

突発シリアス夢

何ていうんでしょう…彼女の記憶だけが無い夢みたいな?(聞くな)
というか夢じゃない気が…(汗)
非恋らしいです・・・

ここまで読んで下さり有難う御座いました。
突発の為約10分で書き終えた夢です…(汗





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