ドリー夢小説
真直ぐ進む廊下
窓からは日差しが差し込む

この長い廊下を俺は
これから生活していく道となる

だから
待っていてください










*secret life*    act.3









理事長室を出た後から、俺達は無言のまま廊下を進んだ
何だか無性に長く感じる沈黙はかなり居心地が悪くて








頼むから何か喋ってください…







ただコツコツと自分達の進む足音だけが響いた
窓から覗く風景はいつの間にか空が橙色に染まっており、部活の生徒かが活発に動き回っていた


それにしても中々喋ってくれない遠藤君は
何処に向かっているのか分からないまま俺は彼についていった




ま…さか…
俺脅されたりとかされるのか…?お前の秘密ばらされたくなかったら金寄越せとかッ!!!?
あぁっ!!
早くも俺の第二弾ピンチ!!!?



「あの…」


『はぃっ!!?』



って急に声を掛けるから思わず声が裏返ってしまったよ
その奇声に少し驚いているようにも伺えた


『あぁ…ゴメン。何?』


「あの…これからの事なんですが」



遠藤君は少し辺りを見回し人が居ないことを確認した
長い廊下には俺達の姿しかない



「取敢えず一番問題なことは寮生活ですよね?」


『あぁ…そうだな…』



男子学生の中に紛れて過ごすのだから油断は禁物
しかも寮生活となればかなりの危険性がある
まぁ…その為に理事長から遠藤君を推薦してもらったのだけどね



「じゃあ…まずは寮長に…」


『遠藤君』


「は、い?」


『こんな面倒な事頼んで悪い。だけど宜しく頼むよ』




彼が居なくちゃ俺は自由に出来ない
きっと彼に迷惑もかけるだろう
けれど彼が居ないと…


俺が言い終わると彼は少し驚いたように見ていた
小さな沈黙が流れる
何を言われても仕方がないと思っていたけれど



「そんな……迷惑だなんて思っていません」



彼は優しく微笑んでいた
何故だろう…
とても不思議な感覚

確か彼は年下で1学年だと理事長から聞いた
しかし実際のところは微笑むと何て大人っぽいのだろう

少しだけ、誰かと似ている雰囲気






『有難う…宜しく。遠藤君』


「こちらこそ。でもその…遠藤君って言うのやめませんか?」


『ん?何で?』


「俺は後輩ですから。呼び捨てでも構いませんよ」


『いや、だってお…女に呼び捨てされるのは嫌だろうし…』



俺は少し人目を気にし小声で言った
何故か、彼はその仕草に顔が緩む
こういう表情は年下らしいのだが…さっきのは錯覚か!?




「僕は全然気にしませんよ。女だとか男だとか関係ないでしょう?」



だから貴女は合えてこの学校に潜入したのでしょう?
と、付け足して微笑んだ




『あ、有難う』



何となく、理事長が信頼できると言ったのが分かる気がした
少しだけ、俺より高い背
見上げるようになる形で彼を見た



「いいえ」



再びお互いの手を出し合い、握手をする
この人なら、信用してもいい
この学園で少なからずも見方が居ることはとても心強いから

理事長、和希、この学校に入れてくれた親戚
そして…片隅に残るあの人

貴方達の支えがあるからこそ、俺は前へ進めます
だから---

早く逢いたい








「それじゃ、取敢えず寮の方へ…」



和希が俺に何かを言いかけ、一歩進んだ瞬間、向こうから少し高い声が聞こえた
廊下を見ると真直ぐ前から手を振り彼の名前を呼ぶ生徒



「お〜い、和希!」


「啓太…?」


少し息を切らせ俺達の傍によってきた彼
どうやら和希と同じ学年で友人のようだ

俺より少しだけ背が小さく、横に髪が跳ねている少年
瞳が大きく第一印象は相手には失礼かもしれないけれど小動物…かな



「和希、やっと見つけた。西園寺さんが探して…って・・・?」



俺の姿に気が付いたのか、俺を真直ぐな瞳を向ける
茶色から覗く瞳の色は青



「えっと…誰?」


「あ、あぁ。この人は今日転入してきたさん。三学年だよ」


『あ…初めまして』



急に話題を振られ、一瞬戸惑ったが軽く頭を下げる
パサリ、と自分の前髪が流れた



「初めまして、俺は伊藤啓太って言います」


。宜しく』


「はい。」




俺が挨拶するとニコっと元気に微笑む
やっぱり和希とは少し違う笑い方かな
啓太のほうが少し幼さが残っている感じだった




「俺も数ヶ月前に転入してきたばかりなんですよ」


『そうなのか?』



和希に聞くとどうやら本当らしい
少しだけ困惑したような表情がしたけれど…気のせいか?




「で、啓太。俺に用か?」


「あっ!そうそう。さっき西園寺さんが呼んでたんだ。会計室の方に来てくれって」


「え…なんだろ…」



和希は少し考え込んだ後



「悪いんですけどさん、一緒に来てもらえませんか?ちょっと用事が出来て…」


『あぁ、気にしなくていいよ』



どうやら二人の話だと会計部なる、西園寺という人に用事があるらしい
別に未だ時間はあるから俺は和希の用事を優先にして貰いたかった

それに、この機会に少しでもこの学校のことを知りたかった


これから俺の通う学校
俺が住む学校






唯一残された細い糸を探り当てるように




前に進むだけ







end


2004/10/12



※間違い箇所が有りましたらメルかweb拍手でご指摘下さると光栄です声※



急ピッチで仕上げた連載
亀並み更新ですがようやく新キャラを出せた…(涙)
長いなぁ…
さて、次回更新は未定(ヲイ)ですが、
会計部二人を出すか、
テニス(酷っ)を出すか迷い中…


本命の篠宮さんは何時出せるんだか…



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