ドリー夢小説



何と言うか、一言で言い表すなら
この学校には少しだけ変な人が集まっている学校

転入してきたばかりの俺は
それを未だ知る由もなかった


そう、正しく

知らぬが幸














*secret life*    act.4












緑の芝生
目の前に絨毯の様に広がっている

流石はお金持ちのエリート学校
校内設備は完璧で、建物数も半端ではなかった




『俺、一人になったら迷いそう…』




確かに
別に極度の方向音痴ではないけれどこの様に広い敷地内では
確実に迷ういそうな気がした

左を向いても似たような建物
右を向いても似たような建物




「大丈夫ですよ。俺も最初はそうでしたから」




苦笑いをしながら啓太が言う
その言葉に少し安堵した気持ちとこれからの不安が募る






「安心してください。暫くは俺が一緒に付きますから」



『有難う、和希…』





優しく微笑む
その笑みに安心を覚えた


何ていうか…
和希みたいなタイプは弟系に似ているんだけどな

俺は二人兄弟。兄が一人いる
だから弟的存在なんて感じたことはないけれど、和希はそれに似た雰囲気だった
あと啓太とかも…

取敢えず今は和希の用事を済ませるために前へ進む





『そう言えば和希、その西園寺って言う人はどんな人なんだ?』




「西園寺さんは会計部を務めているんです」





何とも聞いたところによると容姿端麗、頭脳明晰
しかしこの学校の中枢核とも言える生徒会、とは犬猿の仲らしい…




歩いている間、学校のいろんなことを聞いた
これから俺が生活していく所だ、情報の少しも掴まないとこれからやっていけない

和希や啓太はいろんなことを話してくれてかなり助かる






「この学校は何かが優れた人ばかりですけど…少し変な人も多いんですよねぇ」





ため息混じりながら和希が口を開く
このセリフを聞く限り結構な苦労をしているご様子で

あんまりストレス溜めると髪の毛が大変なことになってしまうよ、和希
会ったばかりで失礼だけど結構後退してきて…

と、思っているところに






『啓太〜!』






…?

何だか黄色の掛かった声が耳に聞こえてくる

黄色い声って大抵女の子が発する物だよネ
気のせいか…この声は…





「な、成瀬さんっ!!」





俺の隣に居た啓太が自己防衛のように俺の後ろに隠れる
俺は非難場ですか?


俺の背中に隠れた啓太から目を離すと、中庭から誰かが走ってくるのが伺えた
結構背が高く、金髪で何かのユニフォームかそれらしきものを着ている

そして
満面の笑顔で、手を振りながら
周りにキラキラが(?)飛んでいます、飛びながらこちらに向かって走ってきます理事長!!




「啓太、見つけた!」





もう語尾に絶対ハートが付いている勢いで喋っていマス
キラキラ過ぎて眩しく直視できな…






「…成瀬さん、何か用ですか?」






俺の背中に隠れたまま啓太が問う
相手のその人は崩れることもなく笑顔で






「何って、啓太が見えたから来てみた」





そりゃぁもう満面の笑顔で問題発言しちゃいましたよ…この人
黙っていればいい人そうなんだけれど…
俺がそうなことを一人で思っているとようやく俺の存在に気が付いた様

随分と時間が掛かったけどね…






「…啓太、この人は…?」




「この人は今日転入してきた…」




です…その…宜しく』






先ほどまでは啓太に視線が注がれていた瞳が俺に向けられる

向けられた瞳は翡翠のような緑の瞳
まるで宝石のよう。髪の毛も金髪だから余計に

握手の意味として手を差出す
一応、握り返してはくれた





さんは三学年なんですよ」



「と、いうことは僕より年上か…?」




何ですか、その語尾に付いた最後の?マークは

もしかして年上に見られてないとか…確かに女だから身長は然程高くは無いし
肩幅も狭い、だからといってばれる訳には行かない



そんな事を考えていたら目の前には金髪
基い、金髪君の顔が目の前にあった





「なっ!!?ちょっと成瀬さん!!」




和希と啓太が驚きの声を上げる
その一方、当の本人の俺は何が起こっているのか分からない状態

ただ目の前に存在している美しい金髪に目が奪われていた





『な、何か顔に付いているか…な?』



「………」




そのまま無言で彼は押し黙る

その沈黙がグサグサと神経に障る気がした
頼むから…喋ってください…






「…いや、中々綺麗だな、と思ってね」





『へ…?』






隣にいた啓太達も唖然としている

いきなりそんな事を言われるとは思ってもいなかったから自分は結構まぬけな表情をしているに違いない
しかも返事の声が裏返った


初めてだった



綺麗。何て言葉を言われたのが
勿論、女で生活していた時なども言われた試しが無い

そのあともまじまじと俺の顔を見ていたけれど、はっとしたように腕時計へと視線を移す








「あっ!もう休憩時間が過ぎちゃったよ」







やっとこの辛い状況から抜けだせるんだ、と思い方の荷が下りた瞬間

何だか頬に柔かい物が触れた、気がした
というか気がしたであって欲しかった




俺は何が起こったか分からないまま硬直状態で
むしろ慌てていたのは啓太と和希

和希なんて真っ青な顔をしていた






「じゃぁ僕は戻らないと。それじゃぁ先輩、また」





そういい残し、彼は遠くへ走っていた
ただ呆然と走り去る金髪だけが瞳の中で浮かぶ








『……なっ…!!!!?』









それが彼の唇だと悟った瞬間

顔から火が出るように熱かった
もう体全体が麻痺をしているような感じで思い通りに動かない様





暫くの間無言で立ち尽くしていた
その周りで心配そうに声を掛ける和希にも気が付かないまま…








まだまだコレからが波乱万丈な学校生活が始まりそうです





けれど身が持つか心配です、母さん……








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2004/12/16

イェア!久々更新(阿呆)

す、すみません(ガタガタ…)
成瀬君が偽臭くって仕方がないです…
彼が一番難しい気がします

早くCD発売日にならないかなぁ…




それではご感想等をBBSorweb拍手等で残してくださると幸いです


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