ドリー夢小説  



とっておきのおまじない

その言葉を唱えれば
不思議に恐怖なんて飛んで行く









   *オマジナイ*









雲行きが怪しい

先程から空の色が灰色へと変わり
遠くの方で黒い雲が見えた

夏の定番
通り雨

通り雨といっても、凄いときは結構凄く
落雷もある



「……」



その天候を不安そうにセラは窓から外の景色を覗いていた


益々天気が悪くなり、気持ちも心なしか不安になっていく


夏は好きだけれど、この天候になるとどうも苦手
さっきまでは澄み渡るように晴れていた青空は何処かへ消えてしまい、
その代りに大きな灰色な雲を運ばせてくる


まるでその雲は今の自分の気持ちの様



『あー…暗くなってきたね』


背後からドアを開ける音がした
手には先程しまい込んだ洗濯物を幾つか持っている





「はい…黒い雲がどんどん近づいてきています…」




『セラ…もしかして雷とか苦手?』




窓を見ながらその問いに答えた





「…遠くから光るのなら大丈夫なのですが…」



あの近くで急に光り、大きな音がどうしても苦手らしい





ずっと宮殿の奥で暮らしてきたセラにとって
その雷、という存在は衝撃だっただろう

只でさえセラの年代でもほとんどが苦手であろうから








時間が経つにつれて
不安は増すばかり

なるべく窓を見ないように心がけていたが
ついに雲は唸りだした




『雨…降ってきたね…』



  



ザァァァァァァ





ただ雨の音しか耳に入らない




自分の服の裾をギュッと握り締めて
堪えていた







怖い

その感情だけが自分だけを襲って
追いかけられて
必死に逃れてた







強く光り、大きな音が刺激する





「っ……!!」







怖い
怖い




まるであそこに居たときの様に
誰もいなくて













『大丈夫』










「…?」













まるで







暗かった闇に
一筋の光の様
暖かい










『セラに秘密のオマジナイを教えてあげる』






私の手を握り
瞳を閉じる


その表情を見ているだけで落着いていく感じ



「おまじない…?」


『そう』



そうしてはセラの手を握り
自分の膝上に乗せる

触れた彼女の手は暖かかった

ずっと離したくない
このままでいたい



『胸の中で唱えるおまじない』




不安になったときはいつもこの言葉を唱えて
前に進めば良い

たまには振り返って
ちゃんと確認すれば良い



貴女は一人じゃないから



一人だったときの夜は辛くて…
違う…辛い、なんていう感情も無くて
只人形の様に過ごして来たあの日


振り返っても誰も居なかった
走って走って
転んでも誰も居なくて


けど今は


振り返れば優しく微笑んでくれる人達が居る




一人じゃないから




これは優しく微笑んでくれる人から教わった
私自身の最強呪文…








*end*
子セラ夢第三段(笑
好評の様で嬉しいですv













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