ドリー夢小説 瞳を閉じれば、記憶が蘇ってくる
笑っていた貴方、悲しんでいた貴方
いつも、貴方の背中を見ていた気がします

俺は…その背中を必死に追い掛けていた
追い掛けて、追い付けるかも分からないのに






  Distance







約15年振り―…
俺は年を取ったし、背も大きくなった
それは相棒のブライトも同じ



けれど貴方は
やはり昔の姿だった。年も取らずに






『フッチ…?』





久しぶりに出逢った最初の言葉はそれで




「お久しぶりです、さん…」





俺はそれに答えた
その時笑顔で答えられただろうか…?
暫くして案内されたのは少し崩れ掛った城だった。

しかし周りの人々の表情は笑みで溢れている
まるで昔皆と居た城の様な雰囲気だった





『フッチは今まで何してたんだ?』





案内されたのはオープンレストラン
活気の良い少女がカウンターに目が入いる
近くの椅子に腰を下ろした



「何から話して良いんでしょう………」





色んな話をした
再び竜洞に戻れたこと
、ハンフリーさんとの別れ、
今は竜洞騎士団正騎士ということ


懐かしさで話したいことが沢山溢れる




さんは何を…」


『ストップ!』



彼女の名前を呼んだ途端、
目の前に手を出され制止される




『フッチさ…もう俺に対して敬語だったり"さん"付けしなくていいんだけど?』


「え…?」




15年前から俺は彼女のことをさん付けしていた
当時、俺は14歳
外見年齢が19歳のさんは大きな存在でもあった


それは今も同じ―…




『フッチもう29だろ?それに俺の身長を遥かに越えてる。だから"さん"付けしなくていいんだよ』



彼女はそう、昔と変わらぬ笑顔を向けてくれる




「…さんには敵わないなぁ…」


瞳の奥がが熱くなった
何時も背中を見ていた

貴方は俺の先を行く存在だったから---




『何が敵わないってさ?』




時々貴方は振り向いてくれた
そして、笑みをくれた



「…いいや。何でもないです、何でもないよ」





昔はとても遠く感じた距離
15年の時を越えて少しでも



「じゃあこれからは、って呼ばせて貰います」






『これから宜しく、フッチ』


「こちらこそ、





お互いに笑みが溢れた
昔は追い掛けてた存在
今からは-----



貴方の隣を歩く存在としても良いですか?





貴方との距離に少しでも近付けたと、







自惚れても良いですか…?





*end*


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