ドリー夢小説
トラン戦争が終結してから数日後…
勝敗は解放軍に上がった












  求めた光












戦のリーダー、は我が家の
二階で荷物をまとめていた

今頃、大勢の仲間は戦の終りを願って
祝福を上げているだろう




その枠から外れては一人荷造りをしている



「………」




無言のまま荷をまとめていると
背後から人の気配がした
しかし馴染みのある気配だったので特に驚きはしない




かい?」




後ろを振り向くと
自分と同じ位の背丈をした人物が立っている

漆黒の短髪で左右瞳の色が違う人物
同じ戦で戦い、お互いを知り合った仲間



大切な…





「皆、今頃酔い潰れてるだろうね」


『あぁ…』


「明日きっと酷い頭痛にあうのに」


『そうだな…』




は笑顔を作りながら荷造りを再開し始める
暫くして小さな沈黙が走った



…』




ふいにが囁く様な弱い声で彼に問う




『いくのか…?』




荷をまとめる手が止まる





「……うん…」


小さく、短い言葉では応えた



「僕は大統領…っていうのは性に合わないからね…」




軽く笑みを作り彼女に向ける



「あと…僕はこの世界のことをもっと知りたいんだ」



無名諸国、グラスランド、ハルモニア
まだまだ未知数の世界はそこにある。
それを見てみぬ振りはもったいない…


そう彼は付け足した




「…それに」




急にの声が小さくなる
今にも壊れてしまいそうな脆い呟き

は自分の右手に視線を落とす





『…その紋章が新たな魂を喰らうかもしれない…か?』




が間をいれ問う
その言葉を聞いた途端の表情が枯れた





「…そう…だよ」




右手を持ち上げ包帯を解く
そこにはくっきりと記された呪いの紋章…




  ソウルイーター




「こいつは僕の親しい人間の命を喰らう…父さんやオデッサさん…それに…テッド…」




ソウルイーターは生と死を司る紋章----
この戦いでは大きなモノをいつくも失った
その代償はきっと消えないだろう






「…だから…」






『ばぁかっ!!!!』








「……え?」





急にが声を荒げる
その行動には唖然としてしまった




『…その紋章は悪い事ばかりじゃないだろ』





の目が見開く




『お前はそれで強くもなれた、仲間にも出逢えた、悲しみを知った…!』




「…………」




が口を閉ざす




 
『そして…俺とお前は出逢った』





の左右違瞳が
を見つめる
真っ直ぐな瞳





「悪いことばかりじゃない…」





けれど、透き通るような…




「………」




一黙置いてから
の瞳から一粒の涙が落ちた





「…僕は…」





ずっと怖かった
この右手の力が


…自分で抑えられるか 分からない
ずっと見えない闇を一人で走っていた




先のない闇を





「怖かった…」





再び、自分はこの手で罪を侵すのだろうか
また大切な人間を失うのだろうか?

闇を走った
いくつもの涙を流してきた





けど…







僕は出逢った


闇の先矛に光が見えた
暖かい、柔がな光





「ずっとその言葉を言って欲しかったのかもしれない…」



力が抜けた 涙腺が切れたように涙が溢れた




「君に…言って欲しかった…」




が近付きを軽く抱き締める
暖かく、眩しい

光を






* * * * *






真夜中
とグレミオを見送るため
グレッグミンスターの入り口に立っていた

空には煌々と星が出ている




「…じゃあ、行くよ」



の隣にはグレミオも立っている
絶対連いていく、そう言い聞かなかったそうだ



『あぁ…』



が門に寄りかかり二人を見送る
が振り返りの側に寄る



『…俺もそろそろ此処を発つよ。だから又何処かで逢えるかもな』



彼女も一つの場に止まることはない。
同じ真の紋章の継承者としての定めだから




…」


『…ん?』


「有難う。」





彼女の頬にの唇が優しく触れた
一瞬の耳が赤く染まったが






『こちらこそ…』




の表情に笑みが浮かぶ
柔らかい、僕が求めた光------





「それじゃあ、皆さんに宜しくと伝えてください」


『分かった』


グレミオから託けを預かり二人は門をくぐった







「何だい?」

『…また、どこかで』




は一度目を見開くが和らいだ表情になり…



「勿論。」







屈託のない微笑み






---もう君がいれば
闇に呑まれる事も無いよ
光が、君が包んでくれるから---







「またね、







*end*
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