ドリー夢小説

美しくて
とても儚い


凛としたその君に
小さな僕達の気持ちを込めて送るよ












一輪の花を君に












本日晴天也

ソフィーは朝早くから洗濯物を乾かすと言って大張り切り
マルクルやカブに手伝って貰いながら取り掛かっていた


その一方、この城の主は太陽が高く上っても
二回から降りてくる気配は無かった







、見て。こんなに良い天気久しぶり!」






窓からソフィーの声が聞こえた
明るくて、はっきりと通る彼女の声

そんな彼女の声が好きだった



私も手伝うよ。と声を掛けた所、大丈夫と言われてしまったのでのんびりとした時間を過ごした




今日は本当に天気が良い
窓から差し込んでくる一筋の光は心を落着かせた

暖かくて、柔かく手を伸ばせばそっと包み込んでくれるような雰囲気
こんな時間…此処に来てかた初めて知った






いつも一人で、薄暗い暗闇の中
ずっと手探りで何かを探していた

真っ暗で辺りには何も見えず、何も聞こえず
音も無い暗闇の中でずっと過ごしていたけれど






でも―…ここは暖かい
そして当たり前の様に自分を受け入れてくれる




時々思うことが有る
自分は此処に居ていいのだろうか、と
本来自分の居るべき場所は違うところなのかもしれない


けれど…もうそれは無理な話
私はもう此処からは動けない、動くことも無いだろう











*  *  *  *  *












気が付いたら少しの間眠っていたらしい
目の前の暖炉からはカルシファーの小さな炎が揺らいでいた


なんて此処は暖かいのだろうか
べつに炎の熱の所為で暖かい訳ではない



雰囲気的に暖かいのだ






、ちょっと来て!」





そんな事を思っていたら外から自分を呼ぶハウルの声が聞こえた
ドアに近づいてみた物の、先程とは違う花畑へと繋がっているようだ


ドアを潜り一歩足を踏み入れると共に風がに触れた
漆黒の髪が少し浮く

一歩一歩踏みしめると共に新しい花たちが出迎えてくれる様な気がした






、こっちよ」






そこにはハウル、ソフィー達が居た
皆微笑んでいて暖かい雰囲気

花に囲まれている彼らは心の底から幸せそうな感じがした





『凄い良い天気だね。何だか外に出たのが久しぶりの様な気がするよ』







時折強く吹く風に髪を押さえながら彼らに近づく
遠くではマルクルがヒンと共に遊んでいた





「本当、今日は良い日ね」



「見て御らん、花たちも喜んでいるよ」




サァ、と風が舞う際に近隣の花達がまるで唄っている様に揺れる
上を見上げれば果てしなく広がる蒼空

流れる雲が寄り一層白く見えた









『何?』





空を見上げて、名を呼ばれたから二人を見ると

スっと一輪の花を差出された
淡い橙色をしたて、小さく美しい花

名は知らないけれど、とても美しく感じられる





『…これは…?』







「僕たちからの感謝の気持ちだよ」




には何時も助けて貰っているからよ」






目の前に出された花を受け取る
触れてみると日を当てていた為ほんのり温かみが感じられた

花だって、植物だって生きているのだから当たり前だ







「有難う、



「これからも宜しくね」





そう二人から微笑を貰った時

自然と瞳から涙が流れた
スゥっと一筋の線を作る






違うよ、御礼の言いたいのはこっちの方

貴方達が居たから今の自分が此処に居るんだ
貴方達に出逢えたから、私はこうやって生きていけるんだ




そう思えば思うほど、涙が溢れて止まらない

私の頬から流れ落ちた雫は、下の花びらへと落ち揺れた
その花も今、自分の握っている同じ色をした花








手には一輪の花


目の前には大切な人


上を見上げれば澄み渡る空







壮大なる自然の元で
私は幸せな物を手に入れることが出来た






こんな時間を

永遠と己の胸の中に






刻みたい










end

2004/12/13

再び突発シリアス夢
短編ばかり更新しないで長編夢も更新しとという勢いですが…(汗



ご感想等をweb拍手かBBS等で残してくださると光栄です!!!





SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送