ドリー夢小説
好きな人と
手を繋ぎ
浴衣を着ながら
金魚すくい
*夏祭り*
人の賑やかな声
提灯の灯屋台からの煙
お祭り特有の雰囲気
カラン
と、蹴った下駄から音が鳴った
「やっぱり夏は祭りだな♪」
隣では同じ浴衣姿の彼が居て
今日は近くの神社のお祭り。
櫻井の休みも取れたところなので久々に二人での出掛け
『やっぱり人が多い』
「でも祭りはこうじゃないと」
そう微笑んで進む
その背中を見て自分も自然と微笑み
『あ!焼きイカ!林檎飴!焼きそば!』
「おいおい、食べ物ばっかりじゃん」
『これこそお祭りらしいでしょ?』
「まぁな」
二人で笑ったり、美味しい物を食べたり
幸せな時間
『鈴君とかも一緒に呼べば良かったのに』
焼きイカを頬張り歩きながら彼に問掛ける
一瞬
彼の表情が驚いた様にも伺えた
「否、本当はさ。鈴達も呼ぼうと思ったんだけど……」
『ん?』
「お前と二人で来たかったからさ…呼ばなかった」
そう言ったまま彼は前へと進み行ってしまった。
夜でも屋台の灯等で彼の耳が紅に染まるのが分かる
その言葉が嬉しくて
『へぇ〜櫻井がそんな事を思っていたなんて♪』
「っう、煩い!」
『照れない照れない』
「照れてなんかない」
そんな小さなやり取りも嬉しく、心の中から笑顔になれた
その時
漆黒の空に色鮮やかな花が浮き上がった
「お、花火?」
『本当だ』
「やっぱり夏は花火だよな〜」
『うんうん。花火見ないと夏に思えないよ』
次々へと夜空へと打ち上げられる大きな花
見上げたら花火
隣を見たら彼
手に握っているのは焼きイカ
何とも夏らしくて
何とも嬉しい
「なぁ」
『何?』
「来年も又来ような…その…二人で」
その仕草が可愛らしくて、優しい
『勿論』
好きな人と浴衣を着て
一緒にお祭りに来る
隣には彼が居て
見上げたら綺麗な花火
幸せな時間を共有できる
とても幸せな時間
足元で鳴らした下駄が
カラン
と、涼しげに音を響かせた
*End*
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