ドリー夢小説




「いってらっしゃい…気を付けて…」


そう言って私は彼を見送った


「あぁ。無事に還ってくるよ」



そして彼は私の額に唇を寄せる




ENMITY




彼、ラスティは自分と同じザフト軍の兵士
しかも特定の人間しか選ばれない赤軍服を着る存在

ラスティは重要な任務を遂行する為にヘリオポリスに向かう

地球軍秘密兵器、ガンダムを奪取すという任務に…




…大丈夫、そんな顔すんなよ」




自分は知らぬ間に顔に出していたらしい。

彼を心配する気持ちを…




「…私も行けたら良いのに…」




私は自分の瞳に触れる。そこには包帯の感触




「仕方無いだろう…には未だ治療が必要なんだ」




ラスティと自分の手が重なる

も同じザフト兵、しかし先日とある事故により左目を失明してしまった
その為、今回の任務は外されている





「お前を置いてくのは心残だけど…無事に還ってくるから待っててくれ…」





そして私はラスティを見送った

還ってきたら手料理を作って上げよう…そう考えながら彼の帰りを待つ



けれど…数日後、私は衝撃的な報告を知らされた




* * * * * * * * * *






-----今日はラスティが任務を終え、プラントに帰還する日

は包帯をしたままだが紅の軍服を身に纏い、艦へと向かった




すれ違い様に彼と同じ任務に向かった同僚達の姿を横目に進む





おかえりって。





一番最初に伝えたい言葉
通路を進む旅に高揚感が募る

きっと彼だって笑顔でただいまって迎えてくれる…きっと…






「あっ!アスラン!」




は通路でラスティと同じ同僚
のアスランの姿を見付け背後から声を掛ける




「っ……」




アスランは私の顔を見て一瞬表情が曇ったのが伺えた
しかしラスティに逢いたいが為にそんな事気にも留めなかった




「…お疲れ様。」




おかえりなさい…とは言わない。





それは彼に一番最初云いたい言葉だったから






「あっ…あぁ…」



「ラスティは?」



彼の姿が見えなかった。
いつもアスランと一緒にいた彼が




「もしかしてまだ着替えてるの?」




そういえばいつも着替えるのが遅かったよね。
そう付けたしアスランの顔が覗くが、彼の表情は余計に曇る

その表情には何か引っ掛かった





「ねぇ…ラスティは?…その…奥に居るんでしょう?」





アスランの言葉を待つ。


その時間が無償に長く感じられる





…ラスティは……」





硝子が音を荒らげ砕けた瞬間。





彼の言葉が遠い気がした













---ラスティは…奪取の際に銃撃戦で…ナチュラルに…済まない…俺が、俺が居ながら…---






「………」




は呆然と立ちすくしていた。





まだその真実を受け留められない…否、本当にそれは真実なのだろうか





それ冴えも分からないまま…







「…還って…来るって…」






言ったのに…






の瞳から涙が流れる。

機能を失った瞳からも







「ラスティ…」






瞼を閉じれば彼の姿が残像している
いつも笑みが絶えなかった。いつも包んでくれた









「…許…さない…」





鏡越しに自分の顔を見る





「許さない…ナチュラル…お前達なんて…」







居なくなってしまえば良い---この世から








包帯を外す

そこには機能は失い、
光を通さないものの…憎悪が灯う濃い瞳






「ラスティ…きっと…」





君を…






そして彼女はナチュラルに対し憎しみを心に刻む------





それは物語が始まる少し前の話----







End......













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