ドリー夢小説 サイダーは
泡を出して透き通る

シュワシュワと音を立てて------

消えていく






        *サイダー*






「なぁエド…?」


は大佐の軍室にて寛いでいた

それはまぁ、ロイ本人の承諾は受けていないのだが…




「ん―……」




ソファーに寄りかかりながら本を読みの問いに答える 







「ソーダってさ」



「?」



「綺麗だよね…」





の横には透明な
飲み物がガラスのコップに注がれていた



それからは小さな気泡が混じっており
シュワシュワと音を立てている




「はぁ…なに言ってんだ…」




意味が分からなく本から視線を外し、に向ける



は水滴の付いたコップを指でなぞり
爪を立て弾いた






コツン






そんな涼しげな音が響く





「否さ―透明だし。何と無く綺麗じゃない」




「そりゃ…まぁ綺麗だけど…いきなりそんなこと言い出すか?」








コツン






再び弾く。
丁度氷が崩れカラン、と言う音と軽く共鳴した





「ん…何と無くサイダー見てたらさ」





昔のことを思い出しそうになる

余り良い記憶とは言えないケド----





「昔の記憶とサイダー、どう関係があるんだよ…」





エドは再び本に視線を戻した
規則的に並んだ文字の羅列が印字されている
分厚い本





「………昔…」




一黙置いてからがそっと呟く様に言った





「サイダーの泡みたいに消えちゃった人が居てさ…」


「……」





小さな気泡、小さな音を立てて消えていく

-----けど、あの人は音沙汰なく消えてしまった

自分に何も言わず

ただ、残したのは貴方との記憶だけ…






「もしかしたら…」






今の皆とも
こんな感じで


自分の前から消えていくのかな-------?





「……それ以上言わなくて言い」




「エド…?」




本を置きの近くに寄る
光の加減で彼の金髪がより一層美しく見えた
橙の瞳とのオッドアイが交わる





「…俺はお前の隣から居なくならない」



二人の手と手が重なる



「消えたり…しない」






窓からは夕暮れの光が差し込んでいた






「……ありがと」





それが彼に言える唯一の言葉
余計な言葉は要らないと思ったから





「だからそんな顔すんな」



「そんな顔?」





エドの手がの頬に触れる
手袋の布感触





「…お前らしくない顔だよ」






ベシ





そう良い彼女の額にデコピンを喰らわす






「うぁっ…痛ぅ〜何すんだよ!」





額を両手で押さえながらは訴えた
しかし彼の表情は優しい…






「そ。お前はそれでいいんだよ」



「?」



「…これから書庫行くけど、お前も行くか?」



「あ、うん!行く」






急いで椅子から立ち上がる

その際に机の上に泡を出すサイダーを一瞬見つめ、
一気に飲み干した




「あ!エド、待てってば!」





空になったコップは日差しを浴びて輝いている




口の中に残ったのは酸の抜けた只のソーダ







それが

少しだけ…

心地良く感じられた









コロン

コップの中で崩れた氷が部屋のなかで









響いた









*end*
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